画材
パステルは、顔料を樹脂で固めたものです。
顔料と樹脂の比率により、顔料の比率が高いものをソフトパステルと呼び、樹脂の比率の高いものをハードパステルと呼んでいます。中間的な比率のセミハードパステルとか、ハードパステルより、さらに樹脂の割合が高く鉛筆状にしたパステルペンシルというものもあります。
顔料の比率の高いものほど、発色がいいですが、描き込みにくく値段は高価です。
樹脂の比率の高いものほど、発色は悪いですが、描き込み安く、値段も安価です。
パステルは、デッサン、スケッチ、イラスト、本画(タブロー)まで、幅広い用途、画風に適しております。
ハードパステルをベースにした描法は発色は悪いですが、かなりの描きこみができますので、デッサン、スケッチに適しています。
また、ソフトパステルをベースにすると、油彩画の様な本格的な作品を描くことができます。
上の写真は、私がパステルを描くのに使用している画材です。
右上の菓子箱
ハードパステル
右下の菓子箱
ソフトパステル
中央上 カッターナイフ(パステルペンシルや、チャコールペンシル、コンテ木筆を削る)
中央のケース
パステルペンシル
左、上から
フキサチーフ
サンドペーパー(ハードパステルを削り尖らせる)
ゼネラル チャコールペンシル、各種(白は、かなり効きがいい)
コンテ木筆各種
木炭、練り消しゴム
ハードパステルを土台にした作例
プルーン ファブリアーノローマ紙
油彩制作の為の彩色されたストゥーディオ(部分研究デッサン、資料)を模索していた頃、初めて描くことができたパステルによるスケッチです。
コンテ木筆によるキアロスクーロのデッサンに、パステルペンシルによる着彩を試みての制作でした。
栗 ファブリアーノムリロ紙
油彩の為の資料として、こうしたハードパステルを土台にしたスケッチを、何枚も描きました。
それにより、油彩制作において現場主義から解放されました。
優しい響き タント100 B5サイズ
スケッチとしてではなく、作品として、私がリコーダーを師事している渡辺清美先生を描かせて頂きました。
タント100というシボの細かい紙ですので、たくさんのパステルの粒子をホールドすることができません。
ハードパステルのおおまかな調子を土台にして、パステルペンシル、コンテ木筆、チャコールペシル、等によって描きこみました。
パステルの描き方(ソフトパステルを土台にして)
「器物とりんご」キャンソンミタント
用紙はキャンソンミタント429半切裏面を使用。
木炭で大まかに配置と形を当たる。
暗色のパステルで陰影部の調子を入れてみる。
明部、中間部に固有色を平塗りで入れてみる。
紙のシボにパステルの顔料を刷り込みながら各パートを大まかに平塗りし土台を作っていきます。
描きこむ前の
土台づくり、下塗り完了。
平塗りの下塗りを土台にして、具体的な描き込みをしていきます。
明度、彩度の対比を大きくとりながら描きこんでいきます。
細部の描き込み、微調整を施し、
イメージサイズを決定した後、サインを入れて完成。
この段階になると、ハードやペンシルタイプの使用頻度が高くなります。